2014.08.02 Saturday
『光画』についての本など
言事堂の通信販売部と『日本の古本屋』に写真評論や写真家の自伝など、
写真家本を35冊ほど続けて登録しました。
言事堂・通信販売部 →
日本の古本屋 → (新着情報のボタンから進んでください。)
木村伊兵衛も同人のメンバーだった、戦前に発行されていた写真雑誌『光画』
についての書籍もいくつか。
1932年に第1号が発行されていますが、店主は1990年の復刻版も実物を
見たことがありません。 大きな市では見ることが出来るのかなぁ…
飯沢耕太郎氏の著書『写真に帰れ』というタイトルが、実は『光画』の
第一号で伊奈信男が執筆していた論文のタイトルから付けられたものだと最近知りました。
幕末、明治期の肖像写真から、芸術写真へと変貌していく様もその運動体も
見聞きしていて面白い時代だと思う。
1900年代初頭にアメリカ北西部の開拓地で写真館を経営していた日本人写真家
松浦栄(フランク・マツーラと名前を変えていたみたいです)なども
見直されたらいいのにと思います。
そうそう、『光画』の同人には中山岩太もいたのです。
カリフォルニア大学で写真を学んで、渡仏時にはマン・レイや藤田嗣治とも
親交があった人物で、奥様の中山正子・著『ハイカラに、九十二歳』に
アメリカやフランス滞在については詳しく記されています。
芦屋での写真家活動についても興味深いエピソードが満載でした。
(こちらの本も入荷しています。)
『モンパルナスのKIKI エコル・ド・パリ追想』
藤田嗣治『「異邦人」の生涯』
中山夫妻はイサム・ノグチにもパリで出会っていて、とにかく渡仏時のエピソードに
登場する人たちが魅力的で読んでいて飽きることがなかった。
フジタから預かった猫をサン・シュルピス寺院の近くに捨てるといった話も出てきて、
どきどきしながら読みました。
(後日談では、猫は肉屋に拾われて、太って生き延びていました。)
またパリを旅するなら、画家や作家、写真家たちの自伝や伝記を読んで、
いろいろな『鍵』を抽出してみたいと思っています。
佐伯祐三しかり、高村光太郎しかり。